小論文過去問(愛知医科大学)解答例
昨日UPした小論文の解答例です。
あくまでも解答例ですので、ポイントに基づいて、どのように書いているのかを見てください。
【解答例】
ロビンソンの煙草への欲求が死の原因であるという意見が一見正しいように見えるのはなぜだろうか。それは「その要因がなければ事故は起きなかった」という点ではアルコールやブレーキの故障、ブラインド・コーナーと同じだからである。しかし、それは因果関係を構成している要因の一つでしかなく、そういった要因は次々に挙げられてしまう(外出を止めなかった友人のせいだ、靴を履くのに時間を取られたせいだ……等)。今ここで求められている原因とは「責任を伴う原因」だと考えられる。
それでは「責任を伴う原因」とは何か。それを明らかにするには仮に煙草への欲求だけがあり、他の要因がなかったらと考えてみよう。煙草への欲求は社会通念上、それだけでは事故が起こる可能性は予見できないが、その他の要因はそれだけで事故が起こる可能性が予見できるのである。
さらに言えば煙草への欲求は特段回避されることが求められるものではないが、その他の要因は回避することが求められる行為である。
我々の行為は様々な結果に複雑に関係している。しかしその中でも結果が起きた後で因果関係があったと分かるものを罰してしまえばすべての行為が何かしらの罰の対象になりかねず、現実的とは言えない。原因はあくまで予見可能性をもち、回避義務を伴う行為に求めるべきである。
(546字)
ポイント
考察の深め方
※感情的・主観的な好き・嫌いにとどまらず、客観的に分析する。
①相手の論拠を分析する(相手の正しさの根拠は何か?)
②自分の論拠を分析する(自分の正しさの根拠は何か?)
③相手と自分を比べる(どこが同じでどこが違うか?)
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